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タイ王国 Thailand

タイの印僑-1

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サイレント・マイノリティの柔軟性と底力
華僑に劣らない パワーの秘密

インド系の人々を総称して「ケーク」ということが多い。ケークとは元々は漢語の「客」を語源とするタイ語で最初は回教圏の人々を呼ぶ語であったのが、いつか回教徒に限らずインド人全体を指すようになった。一般的な外人がファラン(フランスが語源)と呼ばれるのに対し、インド人だけがケーク(客)と呼ばれるのは、ある種の蔑視感覚と、タイに根をおろすのではなくいつかはインドへ帰るという見方からタイへの同化を認めようとしないタイ人のかたくなな感情が投影されているようだ。

一般のタイ人がインド人に対して抱いているイメージは、因業な金貸しで、金を儲けたらさっさとインドに帰る商人というようにあまり歓迎されていない。よくいわれる喩え話に「道端でヘビとインド人に出会ったらどちらを避けるか」という問いに「インド人」と答えるのが正解とされるように一般には嫌われてきた存在であった。タイの地に移民してきた華僑がタイの社会の中に溶け込んだのに対し、インド人はマイノリティな存在の中で静かに独自の社会を築いてきたかのように見える。(サイレント・マイノリティ) しかし、その経済的なパワーは、華僑にも劣らない一面を持っているともいえる。

世界中に移民として散らばっているインド人は約1300万人といわれ、その数は北米などへの移民の多いイタリア人、華人に次いで3番目になっている。東南アジアのなかではマレーシア、シンガポール、ミャンマーに多くタイのインド人社会も正確な数字はわからないものの10万人以上といわれ、その数は日本人社会と比較しても決してマイノリティといえる存在ではない。

タイとインドとの関係は、古くはインドのアショーカ王が二人の王子を仏僧として派遣したことに始まりヒンズー教、仏教を通じた文化的な交流と、インド人の商人としての交易を通して結びつきを強めていったものと考えられる。クメール王朝におけるヒンズー教の存在、タイの王室に伝統的に残るバラモン教の影響などは、インドとタイを含めたインドシナとの関係の深さを示す一端である。しかし、タイにおけるインド人の移住でもっとも特徴的なことはイギリスの東南アジアへの進出に伴っての、タイ上陸であった。


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